考察
電子タバコと喫煙
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生活習慣病に関連するリスクファクターとして、喫煙、ストレス、食生活、不規則な生活(睡眠)などが挙げられる。そのなかでも喫煙に関しては電子タバコの開発により、大きな変革期に来ている。そこで、喫煙の及ぼす影響と、電子タバコのメリットを考察します。
まず、喫煙は、すべての臓器に悪影響を及ぼし、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患や、慢性閉塞性肺疾患などの多くの生活習慣病の重要なリスクファクターとなることが明らかになっている。歯周病においても喫煙は、主要なリスクファクターであり、喫煙習慣と歯周病の進行には相関関係がある。
受動喫煙の影響についても問題があるとされており、喫煙者の吐き出す呼吸煙と副流煙は各種成分の濃度が高く、ニコチンの作用は常習喫煙者より非喫煙者のほうが反応も強い。肺がん発生率は2倍に達するとも報告されており、喫煙者ばかりでなく、非喫煙者の健康にも悪影響を及ぼします。
喫煙によって最初に曝露される臓器は口腔である。タバコの中にはニコチン、タール、一酸化炭素の三大有害物質をはじめ、約200種類以上の有害物質が含まれており、その中の60種類に発ガン性があり、歯周組織の血液微小循環系、免疫系や繊維芽細胞への機能障害など、さまざまな悪影響を及ぼします。
さらに喫煙による口臭の増悪、味覚低下、歯肉の黒色化(メラニン色素の増加)、歯の着色などが口腔環境を増悪させ、歯周病になり易くしている。タバコに含まれる化学的有害物質が歯肉出血を減少させ、歯肉を繊維化し、歯肉表面を硬く角化させ、歯周病の症状を隠すといわれている。喫煙者の歯周病の特徴は、非喫煙者に比べて歯肉にメラニン色素が沈着し、極めて不健康に見える。歯肉の低酸素状態や免疫力の低下により、通常の炎症が起こらないため、初期症状が自覚しにくく、非喫煙者と比べ症状の進行が早い。そのため、症状が進行し、重症になってから気づくため治療の予後が悪いのが特徴です。
現在、歯周病の対策として健康増進法のなかで禁煙が謳われているが、患者にできるだけ無理のないかたちで禁煙を促すことを考えると、電子タバコが禁煙の指導、支援、誘導には有効だと思う。
電子タバコはニコチンを加熱し、その水蒸気を吸引するため、タバコに比べて圧倒的に有害物質が少ない。そして、臭いも無いため、非喫煙者への影響も少なく、受動喫煙の各種化学物質成分の濃度も低く、非喫煙者への悪影響も少ない。もしくは皆無である。
そのことが喫煙者・非喫煙者双方の口腔のみならず全身の健康回復、維持にもつながることになる。電子タバコは歯周病予防、治療のもっとも有効な対策のひとつである。
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